今年の夏、私は北海道一周と山形を除く東北、関東をバイクで旅行しました。
5000キロを超える道のりの中400cc単気筒のエンジンを積む車体の燃費は平均して30km/lを超え、多い時は34キロ走ることもありました。
しかし、旅行の中で出会う他の車種は新旧に関わらず同じ排気量の400ccでも燃費が20km/lであったり、逆に700ccを超えていても28km/l程度を記録する車体もあります。
不思議です。
この事をテーマにして調べる事にしました。
1. 燃費について
今回調べている中で重要だと感じたのは燃費の定義を
1リットル当たりどれだけ走るか→同じ時間当たりどれだけのガソリンを消費しているか
と切り替える事です。
2. 排気量の定義
排気量とは総気筒容量の事です。
例えばボア・ストロークが 87.0mm×67.2mmで単気筒の車体であれば
1気筒当たりの1行程の体積×気筒数=
(87^2)×67.2×π×1÷4000= 399.28cc
と計算することができます。
4気筒ボア・ストローク55.0mm×42.0mm
の車体であれば同じように
(55^2)×42×π×4÷4000= 398.94cc
と計算することができます。
なんとなく多気筒の方が沢山排気しているようなイメージがありましたが、気筒数が違っても燃焼させる部分の体積は同じだということがわかりました。
3. エンジン形式による大まかな特性
エンジンの気筒数による性質の違いを紹介します。
エンジンの気筒数が変わると1サイクル(吸気→圧縮→燃焼→排気の行程の事)の間に爆発する回数が変わります。
3.1 気筒数が少ない場合
気筒数が少ない程1回当たりの爆発が大きいのでトルクが大きいです。その代わり、爆発力に耐える目的や1つの行程の容積が大きい事からエンジンの主要な動作部分の重量が増えます。
扱いやすさの点で一定以上の排気量には向かない事、高回転型にするのに限界があると考えられています。
3.2 気筒数が多い場合
気筒数が増えていくと一回あたりの爆発力は少なくなりますが滑らかな回転になり、ピストンの重量も減るので高速で作動させる事ができます。
高速で作動させる事ができる→多くの燃料を燃やす事ができる→パワーを引き出す事ができます。
振動を細かくして快適性を高めた高級車やF1等のレース車両が代表例です。
同じ排気量ならば気筒数が多いほど回転数が上がるにつれてパワーが伸び、少ない程低い回転数からトルクがあると言えます。
4. 結論
気筒数が増える程高回転、高出力、滑らかさが増します。
減れば減る程トルク、部品点数の少なさによる安さ、軽さを追求することができます、
このような違いがあります。
燃費の差があるのは
気筒数が少ない→低回転から走行するのに足るトルクを持っている→低回転で走る事ができる→燃焼する燃料が少ない→燃費良い
という事が分かりました。
また、余談ですがエンジンの出力に得意不得意がある事を知り、それを補う形でモーターの力を組み合わせているハイブリッドカーは上手く作られていると感じました。
このような社会に浸透する技術というのは既存の技術の弱点を見定めて地道に改善して行く所から生まれるのではないかと感じました。